経営難に陥っているアメリカの住宅公社2社、ファニーメイとフレディマックに公的資金が注入されることになりました。7日にアメリカ財務省が発表したところによれば(日経が8日の朝刊と夕刊で報じています)、2社の優先株の政府購入枠を、総枠で各々1,000億ドル(約10兆8,000億円)設定します。まず優先株を10億ドルずつ発行し、経営状況に応じて段階的に増額します。2社の経営者は退任します。2社の普通株と優先株は無配になり、政府購入優先株に先行して損失処理に回します(減資もあると思われますが、100%減資は今のところないようです)。2社の住宅ローン担保証券を政府が購入します。また、両社へ向けた臨時の融資制度も創設します。
サブプライム問題が始まったのは2006年の年末から2007年の初頭にかけてですが、燃え上がったのは2007年7月からです。燃え上がって1年強でアメリカは公的資金注入の決断を下しました。日本の90年代に比べると、問題のスケールの大きさと問題が伝播するスピードの速さが違うことを考慮しても、公的資金投入の決断が日本の場合よりもはるかに早いと言わざるをえないでしょう。もちろん、これでサブプライム問題が直ちに収束に向かうわけではありませんが、解決への大きな重要な一歩であることは確かでしょう。
なお、減資を行う場合は一部減資で、100%減資はしないようです。100%減資しないで、株主への責任追及を一部減資と無配だけにとどめるならば、日本の経験では2003年春の「りそな危機」を思い起こさせます。あの時はりそなを破綻させず(上場廃止せずに)に公的資金を注入したことが評価されて、それが相場の底打ちにつながりました。もちろん、100%減資をしないということになれば、モラルハザードの議論が出てくるでしょうが、今回の救済策では将来的には政府系住宅公社の役割は大幅に縮小するため、9月8日の両社の株価は1ドル未満に暴落しました。株主は一応の責任を取らされたことになるでしょう。また、住宅公社の株主の責任追及よりも、危機回避と株高、ドル高のほうが優先するということになれば、今後、破綻寸前の金融機関へ公的資金を投入するときに、(特に大手金融機関の)株主への責任追及も限定的なものになるかもしれません。この点については今後注目する必要があると思われます。
ゲームの話に移ると、8月29日付けで任天堂が9月中間期と09年3月期通期の業績見通しを上方修正しました。為替の前提を、1$=100円、1ユーロ=155円から、1$=105円、1ユーロ=160円へ変更しただけでなく、通期のDSとWiiの販売数量見通しを、DSハードは2800万台から3050万台へ、DSソフトは1億8700万本から1億9700万本へ、Wiiハードは2500万台から2650万台へ、Wiiソフトは1億7700万本から1億8600万本へ、各々上方修正しました。この結果、通期営業利益は5,300億円から6,500億円へ、EPSは2,541.3円から3,205.9円へ、配当予想は1,370円から1,680円へ上方修正されました。
上方修正の度合いとしては、数量増加のほうが大きいと思われます。また、各数量はなお上方修正の可能性があります。任天堂の上方修正は世界のゲームビジネスの勢いと事業の巨大化を如実に表すものです。
他の話題もあります。8月29日付けでスクウェア・エニックスはテクモへ友好的TOBを提案しました。この提案はテクモの反対によって9月5日に撤回されましたが、副産物としてテクモとコーエーとが経営統合の協議に入ることになりました。私はスクウェア・エニックスの今回のTOB提案は評価しません。テクモの規模が小さすぎてスクウェア・エニックスにとってのメリットが見出せないからです。テクモにしても、自助努力で株価をもっと上げることができるのに、大手の傘下に入ることは考えられなかったのでしょう。
しかし、小規模な会社では急拡大するゲーム産業から落ちこぼれかねないことが今回のゲーム景気ではっきりしたと思います。過去3〜5年間の業績を見ると、大手と中堅、中小の間で明らかな成長率の格差が出ています。おそらく2010〜2011年までには次世代DSが、2012〜2014年までには次世代Wiiが発売されると思われますが、小規模なゲーム会社ではハードのレベルアップにも海外での拡販にも対応できないかもしれません。合従連衡の動きが日本でも活発になるのではないでしょうか。
サブプライム問題が始まったのは2006年の年末から2007年の初頭にかけてですが、燃え上がったのは2007年7月からです。燃え上がって1年強でアメリカは公的資金注入の決断を下しました。日本の90年代に比べると、問題のスケールの大きさと問題が伝播するスピードの速さが違うことを考慮しても、公的資金投入の決断が日本の場合よりもはるかに早いと言わざるをえないでしょう。もちろん、これでサブプライム問題が直ちに収束に向かうわけではありませんが、解決への大きな重要な一歩であることは確かでしょう。
なお、減資を行う場合は一部減資で、100%減資はしないようです。100%減資しないで、株主への責任追及を一部減資と無配だけにとどめるならば、日本の経験では2003年春の「りそな危機」を思い起こさせます。あの時はりそなを破綻させず(上場廃止せずに)に公的資金を注入したことが評価されて、それが相場の底打ちにつながりました。もちろん、100%減資をしないということになれば、モラルハザードの議論が出てくるでしょうが、今回の救済策では将来的には政府系住宅公社の役割は大幅に縮小するため、9月8日の両社の株価は1ドル未満に暴落しました。株主は一応の責任を取らされたことになるでしょう。また、住宅公社の株主の責任追及よりも、危機回避と株高、ドル高のほうが優先するということになれば、今後、破綻寸前の金融機関へ公的資金を投入するときに、(特に大手金融機関の)株主への責任追及も限定的なものになるかもしれません。この点については今後注目する必要があると思われます。
ゲームの話に移ると、8月29日付けで任天堂が9月中間期と09年3月期通期の業績見通しを上方修正しました。為替の前提を、1$=100円、1ユーロ=155円から、1$=105円、1ユーロ=160円へ変更しただけでなく、通期のDSとWiiの販売数量見通しを、DSハードは2800万台から3050万台へ、DSソフトは1億8700万本から1億9700万本へ、Wiiハードは2500万台から2650万台へ、Wiiソフトは1億7700万本から1億8600万本へ、各々上方修正しました。この結果、通期営業利益は5,300億円から6,500億円へ、EPSは2,541.3円から3,205.9円へ、配当予想は1,370円から1,680円へ上方修正されました。
上方修正の度合いとしては、数量増加のほうが大きいと思われます。また、各数量はなお上方修正の可能性があります。任天堂の上方修正は世界のゲームビジネスの勢いと事業の巨大化を如実に表すものです。
他の話題もあります。8月29日付けでスクウェア・エニックスはテクモへ友好的TOBを提案しました。この提案はテクモの反対によって9月5日に撤回されましたが、副産物としてテクモとコーエーとが経営統合の協議に入ることになりました。私はスクウェア・エニックスの今回のTOB提案は評価しません。テクモの規模が小さすぎてスクウェア・エニックスにとってのメリットが見出せないからです。テクモにしても、自助努力で株価をもっと上げることができるのに、大手の傘下に入ることは考えられなかったのでしょう。
しかし、小規模な会社では急拡大するゲーム産業から落ちこぼれかねないことが今回のゲーム景気ではっきりしたと思います。過去3〜5年間の業績を見ると、大手と中堅、中小の間で明らかな成長率の格差が出ています。おそらく2010〜2011年までには次世代DSが、2012〜2014年までには次世代Wiiが発売されると思われますが、小規模なゲーム会社ではハードのレベルアップにも海外での拡販にも対応できないかもしれません。合従連衡の動きが日本でも活発になるのではないでしょうか。