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家電の大型専門店 デジモノレビュー

■レコーダ文化論?

 DVDレコーダが出る前、世界には二種類の人間しかいなかった。いわゆる、ビデオ予約ができる人間と、できない人間である。昔のビデオ予約とは、手元のリモコンで毎週録画的なマクロを組み、それを赤外線でデッキに転送する。そんな行為は、誰にでもわかるはずもなかった。





 DVDレコーダが登場し、番組表がテレビ画面で見られるようになってから、状況は一変した。そしてその見せ方、インターフェイスのあり方が問われるようになり、できることも多くなり、レコーダは各メーカーがそれぞれの文化圏を形成するようになったように思う。




 シャープはもちろんVHS時代からレコーダを作り続けており、AQUOS人気でテレビと一緒によく出るという話は聞いているのだが、あまり情報がないせいか特徴がよくわからない。今回は発売されて少し時間が経っているが、久しぶりにシャープ製BDレコーダ「BD-HDW55」をお借りすることができた。





 過去に遡ると、本連載では2006年の「DV-ARW25」以来のレビューである。シャープのレコーダは、どのような文化圏を形成しているのだろうか。さっそくテストしてみよう。


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■ 独特のセンスのフロントパネル


 以前からシャープのレコーダは、HDDと光メディアの2つを強調する2つの円を並べたようなデザインを続けてきたが、今回も例外ではない。センターには横幅の短いFLディスプレイを配置し、左右にメディアを表わす2つの円を配置して、シンメトリックなデザインとしている。





 左右にはミラー張りのパネルが配置されており、その内部は左側がB-CASカードスロットとUSB端子、右側がBDドライブトレーとなっている。光沢のある黒いフロントパネル上部に電源、メディアイジェクトボタンが上部にあるが、本体には映像操作系ボタン類が一切ない。全体的にツヤと反射の多いピカピカしたデザインで、最近珍しい独自のセンスである。




 ただし左下にエコモードのスイッチがある点は、他社にはない特徴だ。エコモードをONにすると、予約録画時に立ち上がるぐらいで、リモコン操作すらも受け付けないぐらい徹底的に無駄な電力を排除する。




旅行で数日留守にするなどのとき使うとされているが、年に1~2度かあるかどうかのためにハードウェアスイッチを付けるというのもまた、独特のセンスである。たぶん旅行に行くときには、そういうスイッチがあったことは忘れていると思う。





 ただ、きっちりしたお年寄りの中には、毎日毎日寝る前にすべての電気製品の電源をがっつり切るという習慣があり、昨今の家電製品はスイッチが「パチン」と言わないから気に入らん、という人もいらっしゃるそうで、こうした「パチン」という「ガッツリ切ったぞ感」のあるスイッチが復権しているそうである。




 背面に回ってみよう。地上波と衛星2波のRF入力、i.LINK端子も付いている。アナログAV入力2系統、出力1系統。D端子とセットになったオーディオ出力もついている。デジタル系では音声な光と同軸両方が付き、HDMI端子は1系統。LANもある。フロントパネルを大胆に割り切った代わりに、入出力端子は妥協がない。






 またHDMIだけ、固定ホルダーが付いている。まあ他のケーブルを固定しても構わないのだが、それだけ接続はHDMIがメインになったという現われだろうか。




 続いてリモコンを見てみよう。こちらはセンターの十字ボタン周りのみ光沢のある樹脂で囲んだデザインで、ボタン類はやや小ぶりであるが、そのぶんスマートな印象を受ける。レコーダとテレビの切り換えスイッチは、「テレビを使う」「レコーダを使う」ときっちり日本語で書かれており、起こりがちな間違いを防いでいる。




 下部の白いボタンは蛍光素材になっており、暗いところでも操作ができるよう工夫されている。録画ボタンが離れた位置に独立しており、録画停止もわかりやすく別ボタンになっている。たまーに手動で録画すると止め方がわからなくて困ることがあるが、これならすぐわかる。




 リモコンの裏側には、方向の違う赤外線照射ユニットがもう一つあり、レコーダにまっすぐリモコンを向けなくても操作できるよう工夫されている。





■ フラットな作りのGUI



 シャープ製レコーダは久しぶりなので、基本のホームメニューから見ていこう。ここは各社の特徴が一番出るところである。




 本機のホームメニューは、テレビ画面を2/3ぐらい縮小しておいて、上部にカテゴリ、右側に細かいメニューが出るというスタイルになっている。普段使わないような機能にも全部フラットにアクセスできるため、ホームという考え方が妥当なのかは意見の分かれるところだが、できることの見通しはいい。見た目のビギナーっぽさとは逆に、機能がわかっていていろいろ使い倒したい人向けの構造になっている。




 番組表では、現在放送中の番組がライトグレーで、これから放送する番組はダークグレーで表示される。これがテレビであれば、現在放送中の番組をハイライトすることに意義があるのだが、レコーダでは逆にすべきだ。レコーダを触るユーザーにとっては、すでに放送中の番組にはあまり用がないからである。



 番組の予約は、番組表内で番組をクリックするだけで、すぐに予約リストに追加される。毎週予約を行なう場合は、もう一度番組をクリックすると、細かい設定が決められるようになっている。



 予約の削除は、同じ画面に予約リストがあるので簡単である。黄色ボタンを押すとリスト側に移動するので、そこで削除などを行なう。




 検索機能は、機能の数はそれほど多くはないが、実用的である。類似番組検索では、現在選択中の番組と関連するものを探してくれる。番組タイトルや、番組詳細情報から探してくるようだ。





 この機能は、録画してしまった番組からでも利用できる。一回試しに録画してみたが、面白かったので毎週録画にしたい、といった用途にも使えるだろう。




■ 総論

 シャープのBDレコーダも、出た当初はVHSの置き換えをめざすというえらくシンプルなもので、全く別の市場を狙ってんなー、と思ったものだが、そこのマーケットはテレビのほうに吸収されてしまったように思う。




現在のシャープ製BDレコーダは、機能的にも他社製品のいいとこ取りをしたような製品になっており、東芝が今ひとつBDでパッとしない中、「あれ、意外といいじゃん」というポジションに収まってきている。




 やはりテレビのマーケットが大きいせいか、連携部分はいくぶんAQUOS頼みのところもないではないが、マルチタスクを徹底化したあたりは、ライトユーザーの意向を汲んだ結果、これだけの機能が必要と判断したのだろう。ダブル録画への誘導も、最初から2つあります的な表現ではなく、片方は「裏」であるというメタファを持たせたあたりも、中高年層への配慮が見られる。





 ただ圧縮画質に関しては、再生時の補正技術が今ひとつパッとしない。どうも一生懸命元画像に復元しようとするため、デジタル的なギスギスしたエッジが気になってしまう。コンシューマではオリジナル画質と比較されることはほとんどないので、どちらかというと目に優しい誤魔化しの方向に振った方が良かっただろう。




 HDDがテラバイトなのが主流の今、最大容量が500GBということで圧縮録画にはこだわりたいところだが、大量に溜め込んでも見る時間がなければ同じ事なので、まあDRで運用するというのが一番リッチな使い方ではないかと思う。
(Impressに帰属)
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