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家電の大型専門店 デジモノレビュー

 シャープは、2D/3D表示可能で、縦位置、横位置の3D表示を切り替えられるモバイル機器向け液晶ディスプレイを開発。2010年上期から順次出荷開始する。タッチパネル無しのものから出荷、その後タッチパネルタイプも順次量産出荷する予定。

 3.4型/480×854ドットのモバイル向けディスプレイで、輝度は500cd/m2、コントラストは1,000:1。タッチパネルも搭載可能。特徴は、メガネなしで裸眼で3D立体表示が楽しめ、さらに縦/横位置の切り替えも可能なこと。デジタルカメラや携帯電話、スマートフォンなど、モバイル機器での利用を想定している。






 3D表示には視差バリア方式を使用。進化したCGシリコン技術と、視差バリアの最適化により、高輝度で低クロストークを実現。表示品位を大幅に改善した。CGシリコン技術の進化により、液晶パネルの配線幅を微細化し、輝度を従来の2倍の500cd/m2に向上している。

 3D表示時には、スイッチ液晶により視差バリアで左右の目に異なる光が届くように分離、左目用と右目用の画像を足し合わせた画像を液晶上に表示しすることで、利用者からは立体的に見える。2D表示時には、すべての光を通過させるように視差バリアを制御することで左右の目に同じ光が届き、2D画像に見えるようになる。

 縦/横のいずれの向きにおいても3Dの表示を切り替え可能となった点が大きな特徴。視差バリアを形成する「3D液晶スイッチパネル」において、縦と横に視差バリア用の配線を用意し、それを切り替えることで縦/横双方の3D表示を実現。ただし、3Dコンテンツ側で縦3D用と横3D用のものに最適化したものを用意する必要がある。

 なお、視差バリア方式では、3D表示時には、縦/横方向のいずれかのピクセル数は通常の2D表示時の半分となる。今回のディスプレイでは、縦表示時には240×854ドット、横表示時には480×427ドットとなる。





 今回デモに利用した3.4型/480×854ドットパネルでは、スイートスポット(ディスプレイからの視点までの最適な視聴距離)は30cmに設定している。一般的なモバイル用途で利用される20~60cm程度の距離であれば、機器や用途にあわせてスイッチパネルの厚さを変更して、スイートスポットを調整可能という。

 タッチパネルについては、静電容量式で、2点タッチが可能なものを採用予定。今後は独自の光センサー方式などの導入も検討していく。

 デモでは、独自制作の3DCG動画や、昆虫などの3D画像を用意。3D動画は、指定の位置に立つだけで自然に3Dに見え、少しスイートスポットから動いても問題なく3Dが体験できた。





 なお、携帯ゲーム機は、任天堂が次世代機として裸眼での3D立体視に対応した「ニンテンドー3DS」を2011年度に発売することを明らかにしている。今回の3D液晶が採用されるかとの問いには、「個別のユーザー(取引先)については、この場では答えられない。携帯電話で話を進めているメーカーはある。ゲームの話については勘弁していただきたい(長谷川液晶事業本部長)」とした。





■ 2010年度モバイル液晶の10~20%を「3D Ready」に




 シャープ 常務執行役員 液晶事業統轄 兼 液晶事業本部長の長谷川祥典氏は、4月1日からの液晶事業組織変更について説明した。

 液晶事業体制の強化に向け、中小型向けの「モバイル液晶事業本部」と、テレビなど大型向けの「AVC液晶事業本部」を再編。4月1日付で、液晶事業本部と液晶管理本部、液晶生産本部を新設し、中国大型液晶事業推進本部とあわせて4つの本部からなる体制を構築した。「この再編により、大型から中小型までの一元的な事業運営を可能とした。シナジー効果を最大化して、高付加価値パネル、モジュールを創出して収益アップを図る。部材調達においてもスケールメリットを生かして、コスト力強化を図っていく」と意義を強調した

 今回のモバイル向け3D液晶については、「映画に次いで、テレビの世界は3Dが大きな話題となっている。この流れが小型の端末に来るのも目前ではないかと感じている」とし、テレビからモバイル機器にも3Dの波が来ると予測しているという。





 同社では、2002年から3D液晶ディスプレイを量産しているが、長谷川本部長は「決して成功したとは言えない」と言及。その要因として、「表示品位が低い(輝度、精細度)」、「モジュールの厚みが製品設計時の制約になる」、「3D表示が一方向のみ」という課題があったと分析する。

 今回の製品では、従来製品(2.4型/240×320ドット)と比較して大型化、高精細化を図ったほか、輝度も向上。さらに、視差バリアの貼り合わせ技術など、これまでのノウハウを集約することで、クロストークによる二重像を大幅に抑制している。タッチパネル利用時の厚みについても、従来、別になっていたタッチパネルと3D液晶スイッチパネルを一体化。これにより薄型化を実現している。





 なお、裸眼の3D立体視方式では、かまぼこ型レンズなどを使ったレンチキュラ方式などもあるが、「レンチキュラ方式では、2D画質の劣化が避けられない。2Dの画質を優先したほか、縦/横の切り替えができるという点も視差バリアを選択した理由」とする。

 今後のサイズ展開については、「まずは3~5インチを生産していきたい。パソコン向けの10インチを超えるものも考えている。技術的には大型のテレビも可能性がある」と語った。

 モバイル液晶事業における3D比率については、「今回、モバイルで“3D Ready”を実現することを目標にした。将来的には全部3D対応にしたいが、2010年度は10%~20%ぐらいの見込み。2011年度は50%ぐらいを目指したい。白黒がカラーになったように、モバイルディスプレイが3Dに変わっていくということを視野に入れている」とした。


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