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家電の大型専門店 デジモノレビュー

 テレビ市場においては、国内だけでなく海外でも“LED”がキーワードになってきている。DisplaySearchの調査によれば、2009年第4四半期には40型以上のテレビの4%がLEDバックライト搭載モデルで、金額ベースでは11%となったという。

 “高付加価値テレビ”として、構成比を拡大しているLEDバックライト搭載モデルだが、この人気を加速させたのは韓国のSamsung。2009年に液晶テレビの次世代製品として「LED TV」と銘打ってマーケティングしたことから、特に欧州や米国で高い人気を集めたという。

 技術的には、2004年にソニーが「QUALIA 005」としてLEDバックライト搭載テレビを発表して以来、各社から製品が発表されていたものの、“高級機”に留まり、本格的な普及には至らなかった。Samsungの成功の要因は、“手ごろな価格”で、LEDという新しいキーワードに注目を集めたことがその要因とされる。こうしたこともあり、国内でも2009年後半には、LEDデバイスから製造しているシャープが、「AQUOS LX1」を皮切りに積極的にLEDモデルを投入。2009年にZX8000/9000シリーズやCELL REGZAなどのLED上位機を発売している東芝も、国内テレビのLED搭載率を大幅に引き上げることを宣言しているなど、テレビメーカー各社が力を入れている。

 そうした中で、2008年のXRシリーズ、2009年のZXシリーズとインチ1万円を超える高級機でRGB LEDモデルを投入してきたソニーも2010年には本格的にリーズナブルなLEDバックライト搭載テレビを発売する。その第1弾といえるのが、BRAVIA EX700シリーズだ。

 従来のLEDモデルは高画質、省エネという特性の一方、“高価”という印象をぬぐえなかった。だが、EX700シリーズは、エントリーからミドルクラスに位置づけられる「Fシリーズ」の後継と位置づけられていることからもわかるとおり売れ筋の価格帯に収まっている。32型の「KDL-32EX700」に関しては、実売で約12万円。ポイント還元などを考えれば、10万円強、一部ネット系の店舗では9万台の価格も珍しくない。

 ソニーでは、LEDだけでなく、画質や省エネ機能を含め、「LEDにプラス!」というキーワードでEX700シリーズを積極的に訴求している。この新BRAVIAのポテンシャルを試してみた。




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■ 無理のない薄型ボディとモノリシックデザイン

 EX700シリーズでは、デザイン面においても、従来のBRAVIAからがらりとイメージを変え、「モノリシックデザイン」と呼ぶ、一枚板を引き延ばしたようなデザインとなっている。




 白色LEDのバックライトをエッジに内蔵し、最薄部22mm~最厚部65mmの薄型化を実現。実際に横から見ると確かにスリムで、数年前のように無理に薄さを競うのではなく、チューナを内蔵し、使いやすさにも配慮し、HDMIも4系統あるなど機能面での不足もない。LEDというキーデバイスとそれを生かすノウハウを蓄積した結果、無理なく薄型化が実現されている。重量も10.7kgと比較的軽量なので、別売の壁掛け金具「SU-WL500(26,250円)」を利用した壁掛けや、フロアスタンド「SU-FL71M(49,350円)」を利用した壁寄せも可能となっている。

 スタンドを含む外形寸法/重量は、811×250×539mm(幅×奥行き×高さ)、12.7kg。

 32型ながら、120Hz倍速対応の1,920×1,080ドットのフルHDパネルを搭載している点も大きな特徴。32型では、シャープの「LC-32DS6」程度しかフルHDモデルは無いので、32型/フルHDを狙っている人にとっても注目したい機種といえるだろう。

 ベゼル部にLEDチップなどを内蔵しているため、ベゼル幅は結構あるが、その幅を生かしたデザインとなっている。基本はブラックだが、アンダースピーカー部にグレーのパネルを配しており、高級感も十分。また、本体のちょうど真ん中下部にEX700シリーズのウリの一つともいえる「人感センサー」用のセンサーを、向かって左には「おまかせ画質センサー」も備えている。



 チューナは地上/BS/110度CSデジタルと地上アナログを各1系統装備。端子としてはVHF・UHFとBS/110度CSデジタルをそれぞれ1系統づつという形になっている。HDMIは4系統で、2系統はビデオカメラなどとの接続を考慮し、側面に備えている。いずれも1080/60p、24p入力やHDMI CECに対応し、ブラビアリンクによるHDMI CEC機器制御も可能となっている。

 D5入力×2、コンポジット×2、PC用入力(D-Sub 15ピン)×1、アナログ音声入力、光デジタル音声出力×1、アナログ音声出力×1を装備。USB端子、Ethernet端子も各1系統備えている。



 従来のW/Fシリーズからの大きな変更点といえるのがリモコンだ。従来は、デジタル無線方式(RF)の「お気楽リモコン」だったが、今回は赤外線方式になっている。デジタル無線の採用により、リモコンの向きを気にせずに使えるという点はユーザーの支持を得たというが、やはりミドルクラスの製品でもコスト的に厳しいという点ことから、今回は赤外線になったようだ。

 ただし、リモコンのデザインは一新され、文鎮のようなしっかり置けるデザインになった。ボタンについても、アプリキャストや(インターネット)ビデオといったネットワーク系の専用ボタンを新たに最上部に設置。さらにレコーダとの連携操作を前提としたボタンも装備した。また、スライドカバーを開くとポップアップメニュー専用ボタンなども用意されており、このリモコンだけで、ブラビアリンクで連携するソニーのBDプレーヤー/レコーダを操作できるよう、改善が図られている。

 加えて背面には、電源ボタンも装備。子供が触れたときのご操作を防ぐとともに、伏せておいたときも電源は入れられるようにしたという。また、“モノリシックデザイン”のテレビの脇に置いたときにデザインマッチにも配慮している。



■ 充実の省電力機能と高画質



LED搭載ということで、画質が気になるところではあるが、それとともに重視されているのが省エネ性能だ。消費電力は96W(待機時0.13W)、年間消費電力量は84kWh/年で、同クラスではトップの省エネ性能を誇り、2010年12月末までのエコポイント対象製品となる見込み。

 一定時間、画面の前を離れると自動的に消画し、席に戻ると再び画面を出画する「人感センサー」も従来モデルに引き続き搭載。LEDの採用により、人感センサーで消画した際の省電力性能が向上しており、V5は消画時に約50%の電力削減だったが、32EX700は約68%の削減が可能となったという(52型では約80%)。

 試用時にはいろいろ操作しながら見ているため、それほど動作しないので、この機能の存在にはあまり気付かない。ただ、消画していても音は出ているので、ちょっと席をはずしていて、戻ってくると実は画面が暗くなっているというパターンが多かった。テレビをつけていても、画面をまったく見ていないという時間が結構あるということに改めて気づかされるという点でも面白い機能と感じた。

 また、EX700シリーズでは、また、消画までの時間が、従来の5/30/60分の3段階から、5~60分の5分刻み12段階に拡張。さらに、人物の検知範囲も従来の3mから6mに拡大するなど、使い勝手を向上している。



 パネルはハーフグレアタイプで、映り込みを防いでいる。映像処理回路には「ブラビアエンジン3」を搭載し、ノイズ低減や最適なバックライト制御による暗部階調表現の向上、色の鮮やかさや光沢感の向上を図っている。さらに、倍速駆動技術のモーションフローも搭載している。

 画質面の特徴としては、ソニーの液晶テレビ初の自動画質調整機能「おまかせ画質センサー」を搭載。色温度センサーと輝度センサーなどを組み合わせ、昼の日差しや、蛍光灯や電球などの環境光にあわせて画質を調整する。

 このおまかせ画質は他社のテレビのように独立したモードではなく、スタンダード、シネマなどの各モードを選択中に、ON/OFFが選択できる。この機能の動作による変化もほとんど感じられず、基本的にはONで良さそうだ。

 地上デジタル放送利用時のチャンネル切り替え時間は約3秒。最近のテレビとしては早い部類には入らないが、画面が切替わる前に番組情報などを画面に大きく表示してくれるので、待たされる感じはあまりない。

 入力切り替えはリモコンの「入力切り替え」ボタンを利用。ボタンを押すとUIが立ち上がり、リモコンのカーソルキー、もしくは切替ボタンを複数回数押して、任意の入力を選択する形式だ。チューナからHDMI1への切り替え時間は約3秒。HDMI×4など入力端子は多数備えているが、接続している端子を自動判別し、接続が無い端子は選択不可能としているので、入力の数の多さによる問題は特にない。

 ただし、リモコンのボタン押下からのレスポンスが、若干だが遅い印象がある。数値に出すのは難しいレベルだが、「入力ミスか?」と思い、もう一回ボタンを押しそうになる頃にちょうど動作が始まるという印象で、体感的にもう少し早くなってほしいと感じた。




 画質モードは、「シーンセレクト」ボタンから選択する。多くのテレビでは画面の隅に各モードが表示され、それをリモコンで切り替える形だが、EX700の場合は、画面全面にオーバーレイ表示されそこでモードを選ぶという形態となっていること。わかりやすいのは確かだが、画面をみながら、画質変化が確認できないというのがやや残念なところだ。
 オプションボタン→映像設定から任意の画質モードを選ぶこともできるが、基本的にはこのシーンセレクトを使って画質モード変更することとなる。

 モードは、シネマ/スポーツ/フォト/ミュージック/ゲーム/シーンセレクト切/オートが選択可能。オートを中心に、シネマ、スポーツなどを切り替えてテストしてみた。

 テレビ放送で、バラエティやドラマなどを見ると、意外にもコントラストが高く、“テレビらしい”メリハリある絵が楽しめる。若干色調は淡く感じることもあり、CCFL採用の製品と若干印象が違うようにも感じるが、画像全体としてインパクトのある絵作りだ。

 BD版の「ポーラエクスプレス」を見ても印象は変わらず、色の表現などは比較的あっさりしているに思えるのだが、絵のインパクトが強い。ピーク輝度はそれほど感じないが、黒の沈み込みはかなり深く、暗部の表現力はかなりのものだと感じる。雪の降る中で、スポット光に照らされたポーラエクスプレスが現れるシーンでも、暗闇から雪煙が立ち上がるその細やかな雪粒の質感と弱々しい光の陰影が美しく描かれる。特に暗部の階調表現がきっちりしている点が印象的だ。

 エッジライトLEDだからということで、輝度が足りないのでは? という先入観もあったが、「マイケルジャクソン THIS IS IT」における、猛烈な明暗差のあるステージ照明のインパクトも過不足なく表現され、不満は全く感じない。

 ちょうど生中継で、バンクーバーオリンピックのスケートの浅田真央選手の演技を見たが、ディテール表現力やモーションフローの効果も十分に確認できた。残像が少なく、選手や背景の看板のブレが感じられないことはもちろん、照明に反射する氷に刻まれたザラッとしたエッジの陰影が、深く鮮明に確認でき、フィギュアスケートが優雅なだけでない、タフなスポーツであることを感じさせてくれる。

 46型のBRAVIA「KDL-46X2500(2006年発売/倍速非対応)」と並べてみると、120Hzとはいえ、EX700の倍速駆動の効果は圧倒的。フレーム補間などのエラーが見られないのはもちろんだが、残像感が少ないこともあり、ディテールがくっきりと浮き出して見え、画質差は歴然。画面サイズに大きな差があるにも関わらず、圧倒的に32EX700で見たい、という気持ちになってくる。

 なお、リモコンにはシアターボタンも装備。他のモードと異なり、シアターだけは、独立したボタンから呼び出し可能。色温度が低くなるので、明るい環境下や、ハイコントラストなCGアニメや音楽ライブなどには向かないのだが、映画を見てみると、輝度が落ちることもあり暗部階調などはぐっと見やすくなる。ただし、EX700自体がもともと暗部表現力が高いこともあるので、このあたりはコンテンツにあわせて判断したいところだ。

 VAIO Z(VGN-Z91DS)のHDMI出力を使ってPCとの接続も試してみた。HDMIでテキストモードにすれば、Webブラウザの表示などもくっきりと視認可能でPCディスプレイとしても応用できそうだ。




■ 完成度と買い得感の高いベーシックモデル

 各社が“LED”に本腰を入れてきていることなどから、2010年の後半にはテレビにおける“LED”は珍しいものでは無くなるだろう。そうした中で、LEDに本格的に取り組んだ第1弾製品で、「LEDにプラス!」とLED以外の付加機能も訴求し、画質、省電力などをしっかり強化している点は好感が持てる。逆にこれだけ機能が充実していると上位モデルとの差別化は、なかなか難しそうだ。

 また、ソニーのネットワーク強化に向けた取り組みの一部もきっちりと実装されており、“少しだけ先の未来”をリーズナブルな価格で提供するという点で、“お買い得感”がある。ユーザーの購買欲をくすぐるうまいところを狙った製品といえるだろう。

 これだけの製品で、32型で約12万円で、40型で約17万円、46型で23万円、52型で30万円と考えると薄型テレビも安くなったな、と改めて感じてしまう。今年のもう一つの大きなトレンドといえる3Dには対応していないが、これがエントリー~ミドルクラス製品となると、今年のソニーのテレビには期待できそうだ。
ニュースのホームページhttp://www.rakuten.co.jp/ 製品情報販売元





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